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白梅豊岡病院、電子カルテ含む院内システムがランサム被害——患者氏名・病名など個人情報が流出

項目内容
発生日2026年3月1日
対象組織・業界白梅豊岡病院(静岡県、医療機関)
攻撃手法ランサムウェアによる院内システムの被害
情報源Security NEXT(2026年3月11日)

静岡県の白梅豊岡病院は、院内システムがランサムウェアの被害を受け、電子カルテを含むシステムが閲覧できない状態に陥ったと公表しました。同院および併設の白梅豊岡ケアホームの利用者・家族・関係者の氏名、住所、電話番号、携帯電話番号、病名などの個人情報が流出したとしています。件数は現時点で明らかにされていません。

同院は厚生労働省から初動対応チームの派遣を受け、グループ全施設で二次被害防止の対策を進めています。

  • 2026年3月1日: ランサムウェアによる被害を認知(院内システムが閲覧不能に)
  • その後: 厚生労働省の初動対応チームが派遣され、対応に着手
  • 2026年3月11日: Security NEXTが公表を報道
  • 以降: グループ全施設で二次被害防止対策を継続、詳細調査中

侵入経路や攻撃者、暗号化に至った具体的な手口は公表されていません。現時点では、被害を受けたシステムの範囲と流出が疑われる情報の種類が明らかにされている段階です。

以下は公表事実から考えられる仮説であり、同院が公表したものではありません。

  1. VPN機器・リモート保守経路経由の侵入の可能性: 中小規模の医療機関で電子カルテを含む院内システム全体が影響を受ける事案は、外部から到達可能なVPN機器・リモート保守経路の脆弱性や認証情報の悪用を起点とすることが多い類型です
  2. 医療系ベンダー保守経路の悪用の可能性: 電子カルテや医事会計は外部ベンダーの遠隔保守窓口が存在することが多く、そこが踏み台になる典型パターンも過去事例で繰り返し観測されています
  3. ネットワーク分離が横展開を止められなかった可能性: 電子カルテを含む複数システムが同時に閲覧不能になっている点から、部門システム間の分離が緩く、初期侵入から横展開までを止められなかった可能性が考えられます

1. 医療機関は「システム停止イコール診療停止」を前提に平時から冗長化を設計する: 電子カルテが閲覧できない状態は、そのまま診療機能・服薬・処置指示の断絶に直結します。医療機関のBCPは、単にバックアップからの復旧を語るだけでなく、復旧までの間の紙運用・代替医療機関との連携を含めて言語化しておく必要があります。

2. 患者情報の「何が流出したか」の説明責任は個人情報保護法対応の中核: 患者の氏名・住所・病名はセンシティブ情報として扱われ、医療機関には特に丁寧な説明責任が求められます。誰の・何の情報が・いつ流出したかを、事後に事実として説明できるかどうかは、平時のログ保全・アクセス記録の設計に依存します。

3. 厚労省の初動対応チーム制度を「使える」体制にしておく: 医療機関向けにはサイバー攻撃発生時の初動支援体制が整備されていますが、これを実際に「呼べる」よう平時から連絡経路・報告基準・意思決定者を明確にしておくことが、初動の速さを決めます。

ヤグラの視点 — 影響範囲の特定が、患者への説明責任を左右する

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医療機関のランサム被害で最も長期化するのは、「誰の・どの情報が流出したのか」を確定させる工程です。本件でも氏名・住所・病名などが流出したとされていますが、件数は現時点で明らかにされていません。件数の確定が遅れる背景には、暗号化対象サーバのアクセスログ・外向き通信ログの保全不足や、患者情報を横断検索できる棚卸しの欠如があります。診療情報という極めてセンシティブなデータを扱う医療機関では、平時から「どこに・何件・どの範囲の患者情報があるか」を可視化し、被害時に外向き通信ログと突き合わせて影響範囲を高速に確定できる状態を作っておく必要があります。ログの包括的監視と、影響範囲を機械的に絞り込める体制は、患者への説明責任を短期化するための投資でもあります。→ ヤグラ AI SOC

侵入経路・流出件数・電子カルテの復旧状況について続報が出れば、本記事に追記します。

日時内容
2026-07-30初報を公開(Security NEXT 2026-03-11報道ベース)