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医療法人豊和会 新札幌豊和会病院、破砕処分を委託した電子カルテのハードディスクがネットオークションで販売 — 患者の診療情報が漏えい

項目内容
発生日2023年9月頃(電子カルテシステム更新にともなう旧パソコンの入れ替えと廃棄委託)
公表日2026年7月30日(報道は2026年8月19日)
対象組織・業界医療法人豊和会 新札幌豊和会病院(医療機関)。破砕処分を委託したのは外部の産業廃棄物業者(業者名は公表されていない)
影響件数公表されていない。患者の氏名、生年月日、診療に関する情報等
攻撃手法攻撃なし。破砕処分を委託したハードディスクが適切に破砕されず、取り外されたうえで他のパソコン部品に組み込まれ、インターネットオークションを通じて販売されていた
情報源ScanNetSecurity(2026年8月19日)

医療法人豊和会 新札幌豊和会病院は2026年7月30日、破砕処分を委託したハードディスクがインターネットオークションを通じて販売されていたと公表しました。

経緯は2023年9月頃にさかのぼります。電子カルテシステムの更新にともない旧パソコンを入れ替え、そのハードディスクを外部の産業廃棄物業者へ破砕処分を委託しました。しかし適切に破砕されず、取り外されたハードディスクが他のパソコン部品に組み込まれたうえで、インターネットオークションを通じて販売されていたことが判明しています。

対象となったのは患者の氏名、生年月日、診療に関する情報等です。件数は公表されていません。

同院は、旧パソコンのハードディスクが含まれていると考えられるパソコン部品について可能な限り回収と調査を行い、漏えいした患者へ個別に通知しています。再発防止と情報管理体制の一層の強化に努めるとしています。

  • 2023年9月頃: 電子カルテシステムの更新にともない旧パソコンを入れ替え。ハードディスクの破砕処分を外部の産業廃棄物業者へ委託
  • その後: 適切に破砕されず、取り外されたハードディスクが他のパソコン部品に組み込まれ、インターネットオークションを通じて販売される
  • 判明の時期・経緯: 公表されていない
  • 対応: 該当するパソコン部品を可能な限り回収し調査。漏えいした患者へ個別に通知
  • 2026年7月30日: 医療法人豊和会 新札幌豊和会病院が公表
  • 2026年8月19日: 報道により広く伝えられる

判明している事実: 破砕処分を委託したハードディスクが適切に破砕されなかったことです。委託先の産業廃棄物業者名、破砕が行われなかった経緯、判明した時期と契機、対象となった患者の件数はいずれも公表されていません。

委託先が処分を履行しなかったことは判明していますが、その理由は公表されていません。業者側の管理の問題だったのか、意図的に転売されたのかも示されていません。

分かるのは、病院側で履行を確認する手立てがなかったということです。破砕処分の委託では、作業に立ち会う、破砕済みの証明書を受け取る、シリアル番号単位で処分を記録するといった確認方法があります。それらが機能していれば、2023年9月の時点で不履行に気づけたはずです。約3年後にオークションへの出品として表面化するまで分からなかったという結果が、確認の工程がなかったことを示しています。

件数が公表されていないのも、当然といえば当然です。電子カルテを載せていたハードディスクの中身を、現物が手元にない状態で特定するのは容易ではありません。回収が「可能な限り」と表現されているとおり、部品として分解・流通したものをすべて追うことも困難です。

1. 記憶媒体の廃棄は、履行を確認できる形で委託する

Section titled “1. 記憶媒体の廃棄は、履行を確認できる形で委託する”

委託契約を結んだだけでは、処分が行われたことにはなりません。作業への立ち会い、破砕の様子の記録、シリアル番号単位の処分証明——どれか一つでも運用に入っていれば、不履行はその時点で分かります。委託先を信頼するかどうかの問題ではなく、確認できる形にしてあるかどうかの問題です。

2. 物理破砕の前に、データを消去しておく

Section titled “2. 物理破砕の前に、データを消去しておく”

破砕は物理的な処理であり、履行されなければ何の効果もありません。廃棄する前の段階で、暗号化消去や上書き消去を病院側で実施しておけば、破砕が行われなくても中身は読めません。処分を外部に委ねる部分と、自分たちで完結できる部分を分ける設計が有効です。

3. 廃棄した媒体は、失われても取り戻せない

Section titled “3. 廃棄した媒体は、失われても取り戻せない”

今回、部品として分解・流通したハードディスクの回収は「可能な限り」に留まっています。電子データなら削除を依頼できますが、転売された媒体は誰の手にあるかも分かりません。日常業務のなかで最も注意が向きにくい工程が、失敗したときに最も打つ手がない工程でもあります。

  • 対象となった患者の件数の確定
  • ハードディスクの回収状況
  • 破砕が行われなかった経緯と、委託先の対応
  • 記憶媒体の廃棄手順を含む再発防止策の公表内容

判明次第、本記事に追記します。

日時内容
2026-08-192026年7月30日の公表内容および2026年8月19日の報道をもとに記事を公開