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国立健康危機管理研究機構 国立国際医療センター、廃棄予定の心機能検査機器のハードディスクを紛失 — 患者83,007名分の検査情報が記録

項目内容
発生日2026年3月27日に検査機器の更新にともないハードディスクを取り外し、施錠された倉庫で一時保管。2026年4月16日に紛失が判明
公表日2026年7月31日(報道は2026年8月21日)
対象組織・業界国立健康危機管理研究機構 国立国際医療センター(東京都新宿区/医療機関)
影響件数83,007名分。対象期間は1998年12月15日〜2023年12月27日。心機能に関する検査情報(患者ID、氏名、年齢、性別、検査日、検査結果等)と、検査実施のための患者情報(病名、感染症に関する検査結果、投薬状況等
攻撃手法攻撃なし。廃棄のため取り外し、施錠された倉庫で保管していた心機能検査機器付属のハードディスクを紛失。パスワードロック機能はなし
情報源国立健康危機管理研究機構「心機能の検査機器付属のハードディスクの紛失に関するお詫びとご報告」(2026年7月31日)ScanNetSecurity(2026年8月21日)CBnewsマネジメント(2026年8月4日)

国立健康危機管理研究機構 国立国際医療センター(東京都新宿区)は2026年7月31日、心機能の検査機器に付属していたハードディスクを紛失したと公表しました。

検査機器の更新にともない、外部の専門業者へ廃棄を委託するためハードディスクを取り外し、2026年3月27日から施錠された倉庫で一時保管していました。2026年4月16日に紛失が判明しています。

記録されていたのは、1998年12月15日から2023年12月27日までに心電図などの検査を受けた入院・外来患者83,007名分の情報です。内訳は、心機能に関する検査情報として患者ID、氏名、年齢、性別、検査日、心機能に関する検査結果等。加えて、検査を実施するために取り込んでいた患者情報として病名、感染症に関する検査結果、投薬状況等が含まれます。

当該ハードディスクにパスワードロック機能はありません。ただし後者の「検査実施のための患者情報」については、生成から1か月後に自動削除される設定であったため、基本的に閲覧は困難であるとしています。

機構内を捜索したものの現在まで発見に至っておらず、対象となる患者への個別連絡を実施しています。

  • 1998年12月15日〜2023年12月27日: 対象となる患者の検査が行われた期間
  • 2026年3月27日: 検査機器の更新にともない、外部の専門業者へ廃棄を委託するためハードディスクを取り外し、施錠された倉庫で一時保管
  • 2026年4月16日: 紛失が判明。判明の契機は公表されていない
  • その後: 機構内を捜索したが発見に至らず。対象となる患者へ個別に連絡
  • 2026年7月31日: 国立健康危機管理研究機構が公表
  • 2026年8月21日: 報道により広く伝えられる

判明している事実: 廃棄のために取り外したハードディスクを施錠された倉庫で保管していたところ、紛失したことです。なくなった時期、判明の契機、倉庫の入退室や物品の出入りをどう管理していたかは、いずれも公表されていません。

3月27日の保管開始から4月16日の判明までは約3週間です。この間のどの時点でなくなったのかは絞り込まれていません。施錠された倉庫という説明と紛失という結果が両立するには、鍵を持つ者が持ち出したか、施錠の運用が想定どおりでなかったかのいずれかになりますが、公表内容からはどちらとも判断できません。誰がいつ倉庫に入り、何を出し入れしたかの記録があれば期間は絞れたはずで、それが示されていないところに管理の空白があったと考えられます。

対象データの構成にも差があります。「検査実施のための患者情報」は生成から1か月後に自動削除される設定でした。一方、心機能に関する検査情報は1998年12月から25年分が残ったままです。同じ機器の同じディスクの上で、削除の設定があったデータは直近分に限られ、なかったデータが83,007名分に積み上がっています。

1. 医療機器に内蔵された記憶媒体を、資産の一覧に載せる

Section titled “1. 医療機器に内蔵された記憶媒体を、資産の一覧に載せる”

紛失したのは業務用のパソコンでもサーバでもなく、検査機器に付属するハードディスクです。この種の媒体は診療部門が機器として管理し、情報システム部門の資産台帳や暗号化の対象から外れがちです。本件でパスワードロック機能がなかったと公表されているとおり、診療の現場で使う機器には暗号化を前提にできないものがあります。台帳に載っていない媒体には、廃棄の手順も適用されません。

2. 取り外してから引き渡すまでの期間に、管理の主体を置く

Section titled “2. 取り外してから引き渡すまでの期間に、管理の主体を置く”

3月27日に取り外し、外部業者へ渡す前の状態で保管されていました。機器としての管理を離れ、廃棄物としての管理もまだ始まっていない、この待ち時間がもっとも抜けやすい区間です。取り外した時点で個体を台帳に記載し、引き渡しまでの所在と持ち出しを記録する運用がなければ、いつなくなったのかも後から言えません。

3. 機器の中に残るデータに寿命を設定する

Section titled “3. 機器の中に残るデータに寿命を設定する”

検査を実施するために取り込んだ患者情報は1か月で消える設定になっており、影響が直近分に限られました。同じ機器の中で、削除の設定があったデータとなかったデータの間に、25年という差がついています。機器が業務上何年分を保持する必要があるのかは、導入時に決められる事柄です。

  • ハードディスクの捜索結果
  • なくなった時期の特定と、紛失が判明した契機
  • 倉庫の管理状況について公表される内容
  • 記憶媒体の廃棄手順を含む再発防止策

判明次第、本記事に追記します。

日時内容
2026-08-212026年7月31日の公表内容および報道をもとに記事を公開