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愛知県、あいち海上の森センターの体験プログラム申込フォームで別人の個人情報が閲覧可能に — 委託先の共有設定変更ミスで36人分

項目内容
発生日2025年11月13日17時ごろ〜11月14日9時45分ごろ(閲覧可能だった期間)
公表日2025年11月27日
対象組織・業界愛知県(あいち海上の森センター/公共・非営利)。フォームの運用は業務委託先の「よりあい工房ばんどり」
影響件数体験プログラム参加申込者 16組36人分の氏名、住所、電話番号、年齢、メールアドレス
攻撃手法攻撃なし。委託先がセンターと申し込み状況を共有した際、設定の変更を誤ったことによる公開範囲の誤り
情報源Security NEXT(2025年11月27日)

愛知県は2025年11月27日、あいち海上の森センターの体験プログラム「キッズアカデミー」の申込フォームにおいて、申込者の個人情報が別の申込者から閲覧できる状態になっていたと公表しました。

閲覧可能だった期間は2025年11月13日17時ごろから翌14日9時45分ごろまでの約16時間半で、対象となったのは参加申込者16組36人の氏名、住所、電話番号、年齢、メールアドレスです。

原因は、委託先があいち海上の森センターと申し込み状況を共有した際、設定の変更を誤ったこととされています。事象は参加申込者からの指摘によって判明しました。同県は対象となった申込者に電話やメールで経緯を説明し、謝罪しています。

  • 2025年11月13日17時ごろ: 委託先がセンターと申し込み状況を共有する際、設定の変更を誤り、申込者が他の申込者の情報を閲覧できる状態になる
  • 2025年11月14日9時45分ごろ: 参加申込者からの指摘を受けて状態を解消
  • 2025年11月27日: 愛知県が公表。対象者へ電話・メールで説明と謝罪

判明している事実: 委託先がセンターと申し込み状況を共有する操作を行った際に、設定の変更を誤ったことが原因と公表されています。誤った設定の具体的な内容(共有範囲の指定なのか、閲覧権限の付与なのか)は公表されていません。

「申し込み状況を共有した際」という経緯から、フォームの回答が蓄積される表計算ファイルやフォーム自体の共有リンクを、リンクを知っている全員が閲覧できる設定に切り替えた可能性が考えられます。申込者が他の申込者の情報を見られたという結果は、回答一覧そのものが申込者側から到達できる状態になっていたことを示唆します。

この種の操作は「委託先の担当者が県の職員に見せるため」という正当な業務目的から始まります。共有相手を1人追加する操作と、公開範囲を広げる操作が、同じ画面の隣接した選択肢として並んでいることが、誤りの背景にあると考えられます。

1. 委託先との情報共有の手順を、操作レベルで決めておく

Section titled “1. 委託先との情報共有の手順を、操作レベルで決めておく”

「委託先と県で申し込み状況を共有する」という業務要件は、共有方法を指定しなければ担当者の裁量で実現されます。アカウントを指定して共有するのか、リンクを発行するのか、エクスポートしたファイルを送るのか——手段によって漏えいのリスクは大きく違います。委託契約や業務手順書に共有の手段まで書き込むことで、この判断を現場から取り除けます。

2. 申込フォームの公開範囲は、変更のたびに申込者側の視点で確認する

Section titled “2. 申込フォームの公開範囲は、変更のたびに申込者側の視点で確認する”

設定を変更した担当者の画面では、異常は見えません。今回の状態に気づいたのは県でも委託先でもなく、申込者でした。回答が蓄積される先の公開範囲を変えたときは、権限を持たない立場からアクセスして確認する手順を挟む必要があります。

3. 短時間の露出でも、対象者への連絡は件数分必要になる

Section titled “3. 短時間の露出でも、対象者への連絡は件数分必要になる”

露出は約16時間半でしたが、通知が必要な対象は16組36人全員です。露出時間の短さは通知義務を軽くしません。フォームに集める項目を業務に必要な最小限にとどめておくことが、こうした場面での影響を直接小さくします。

ヤグラの視点 — 攻撃者のいないインシデント:設定変更という正当な操作が、公開範囲を変えた

Section titled “ヤグラの視点 — 攻撃者のいないインシデント:設定変更という正当な操作が、公開範囲を変えた”

この事案には攻撃者がいません。マルウェアも脆弱性も使われておらず、外部から侵入もされていません。起きたのは、委託先の担当者が業務上必要な共有操作を行い、その設定を誤ったという一点だけです。それでも36人分の氏名・住所・電話番号が、見るべきでない相手から見える状態になりました。

このタイプの事案が厄介なのは、操作の記録上は何も異常が起きていないことです。不正なログインもなく、通常の権限を持つ担当者が通常の画面から通常の操作をしています。異常として検知できる余地が小さく、実際に気づいたのは申込者からの指摘でした。侵入を前提とした監視の網は、この種の露出を拾いません。

防ぐ側にできるのは、操作の自由度を業務手順の側で狭めることです。共有の手段を業務ごとに一つに決めておけば、担当者が選択肢の前で迷う場面自体がなくなります。間違えた人を責めるのではなく、間違えられる選択肢を業務から外す——設定不備による漏えいに対しては、この設計が最も効きます。

  • 誤った設定の具体的な内容と、委託先における共有手順の見直し状況
  • 同種のフォームを使う他の県事業における公開範囲の点検結果
  • 再発防止策の公表内容
日時内容
2026-08-122025年11月27日の公表内容をもとにアーカイブ記事として作成