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千葉労災病院、常駐委託業者の従業員がFAX番号を誤入力し患者2人の情報を第三者宅へ誤送信 — 書類は回収済み

項目内容
発生日2025年11月11日
公表日2025年12月10日
対象組織・業界千葉労災病院(医療機関)。誤送信を行ったのは常駐する委託業者の従業員
影響件数患者2人分。カタカナ氏名、検査材料の変更指示など
攻撃手法攻撃なし。ファックス送信時の番号の入力誤りにより第三者宅へ誤送信
情報源Security NEXT(2025年12月10日)

千葉労災病院は2025年12月10日、常駐する委託業者の従業員が本社へ書類をファックスで送信する際、番号の入力を誤り、第三者宅へ誤送信したと公表しました。

発生は2025年11月11日で、受信者からの申し出により判明しています。誤送信された書類には、患者2人のカタカナ氏名、検査材料の変更指示などが記載されていました。

同院は誤送信した書類をすでに回収済みで、二次流出の可能性は低いとしています。再発防止策として、ファックス番号の事前登録や複数による送信先のチェック、個人情報の不要部分に対するマスキング処理など、厳格な管理について徹底するとしています。

  • 2025年11月11日: 常駐する委託業者の従業員が本社へ書類をファックス送信する際、番号の入力を誤り第三者宅へ誤送信
  • 判明: 受信者からの申し出により発覚
  • 対応: 誤送信した書類を回収。二次流出の可能性は低いと判断
  • 2025年12月10日: 千葉労災病院が公表。ファックス番号の事前登録、複数による送信先チェック、不要部分のマスキング処理を再発防止策として示す

判明している事実: ファックス番号の入力を誤ったことが原因です。誤った番号がどのように入力されたか(1桁違いか、別の登録先か)は公表されていません。

送信先が「本社」であったことから、これは定型的に繰り返される業務連絡であったと考えられます。同じ宛先に日常的に送るファックスであれば、番号は記憶または手元のメモに依存しやすく、短縮ダイヤルに登録されていなかったことが誤入力の前提になります。同院が再発防止策の第一に「ファックス番号の事前登録」を挙げていることは、登録がなされていなかったことを示しています。

「検査材料の変更指示」という書類の性質からは、検査室と委託業者の間で日々発生する運用上の連絡であったことが読み取れます。頻度が高く緊急性のある連絡は、確認の手順が省かれやすい類型です。

1. ファックス番号は登録し、手入力の余地を残さない

Section titled “1. ファックス番号は登録し、手入力の余地を残さない”

番号の手入力がある限り、桁の誤りは確率的に発生します。短縮ダイヤルへの事前登録は、宛先を「選ぶ」操作に変えることで入力誤りの余地をなくします。定型的な送信先については、手入力を業務手順から外すのが直接的な対策です。

2. 書類に載せる情報を、送信のたびに絞る

Section titled “2. 書類に載せる情報を、送信のたびに絞る”

今回の書類には患者のカタカナ氏名と検査材料の変更指示が併記されていました。検査材料の変更を伝えるという目的に、氏名の併記が必須かどうかは検討の余地があります。同院が挙げた「不要部分のマスキング処理」は、誤送信が起きたときの影響を情報の側から下げる対策です。

3. 常駐する委託業者の作業も、院内の手順の対象に含める

Section titled “3. 常駐する委託業者の作業も、院内の手順の対象に含める”

誤送信を行ったのは院内に常駐する委託業者の従業員です。常駐という形態では、院内の設備を使いながら、手順は委託先の運用に従うという二重の状態が生じやすくなります。院内の設備を使う作業については、委託先であっても院の手順を適用する必要があります。

ヤグラの視点 — 訓練のマルチチャネル化:メールを前提にした対策では、ファックスは守れない

Section titled “ヤグラの視点 — 訓練のマルチチャネル化:メールを前提にした対策では、ファックスは守れない”

情報漏えいへの備えを設計するとき、想定されるチャネルはほぼメールです。宛先の確認、BCCの徹底、添付ファイルの暗号化——手順もツールもメールを前提に整えられます。今回の漏えいが起きたのはファックスでした。番号を1つ打ち間違えただけで、患者の情報が見知らぬ第三者の家庭に届いています。

医療の現場では、ファックスがいまも主要な連絡手段として機能しています。検査室と委託業者、病院と診療所、薬局との連携——即時性と確実性が求められる場面で使われ続けており、それ自体は業務上の合理性を持ちます。問題は、メール向けに整えた対策がファックスには何一つ適用されないことです。宛先の入力補完もなく、送信取り消しもなく、開封の記録も残りません。届いた先で紙になり、回収は相手の善意に依存します。今回書類が回収できたのは、受信者が申し出てくれたからです。

攻撃者の側は、すでにチャネルを広げています。メールだけでなく、SMS、電話、ポップアップ、偽の警告——人が判断を誤る経路は一つではないという前提で攻めてきます。守る側の訓練と手順が単一チャネルに閉じている限り、その差は埋まりません。マルチチャネル型の訓練が必要とされるのは攻撃側の変化に対応するためですが、同じ考え方は内部の情報の出口にも当てはまります(→ ヤグラ アウェアネス)。自組織で情報が外へ出ていく経路を、メール以外まで数え上げているかどうかが分岐点です。

本件は原因・影響範囲・再発防止策がいずれも公表され、誤送信された書類も回収済みです。追加公表の予定は示されていません。

日時内容
2026-08-122025年12月10日の公表内容をもとにアーカイブ記事として作成