大阪府、高校で生徒152人分の出欠記録簿が所在不明 — 施錠可能な場所に保管せず教材と一緒に机の上へ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 発生日 | 2025年6月5日(教諭が使用した日)/2025年6月6日の授業開始時に判明 |
| 公表日 | 2025年12月23日 |
| 対象組織・業界 | 大阪府(府内の高校/教育・研究)。学校名は公表されていない |
| 影響件数 | 生徒152人分の氏名、学年、クラス、出席番号、授業の出欠状況 |
| 攻撃手法 | 攻撃なし。記録簿を施錠可能な場所で保管せず、教材と一緒に机の上に置いたままにしていた |
| 情報源 | Security NEXT(2025年12月23日) |
大阪府は2025年12月23日、府内の高校で生徒の出欠状況を記載した記録簿が所在不明となっていることを明らかにしました。
記録簿には生徒152人分の氏名、学年、クラス、出席番号、授業の出欠状況が記載されていました。
教諭が使用したのは2025年6月5日で、記録簿を施錠可能な場所で保管せず、教材と一緒に机の上に置いたままにしていました。翌6月6日の授業開始時に記録簿がないことが判明しています。
同府は生徒に対して経緯を説明するとともに謝罪し、保護者に対しても書面を通じて謝罪しました。
- 2025年6月5日: 教諭が記録簿を使用。施錠可能な場所で保管せず、教材と一緒に机の上に置いたままにする
- 2025年6月6日: 授業開始時に記録簿がないことが判明
- 対応: 生徒へ経緯を説明し謝罪。保護者へも書面を通じて謝罪
- 2025年12月23日: 大阪府が公表
判明している事実: 記録簿を施錠可能な場所で保管せず、教材と一緒に机の上に置いたままにしていたことです。置かれていた場所(職員室か教室か)、記録簿が失われた経緯、その後の捜索状況は公表されていません。再発防止策も公表されていません。
考えられる原因(推測)
Section titled “考えられる原因(推測)”「教材と一緒に机の上に置いたまま」という記述は、記録簿が授業で使う道具と同じ扱いを受けていたことを示しています。出欠記録簿は授業のたびに使うため、教材やプリントと一緒に持ち運ばれ、次の授業まで手元に置かれるのが実務上自然な運用です。個人情報を含む文書という位置づけと、日々使う授業道具という位置づけが競合していた構造が読み取れます。
翌日の授業開始時に判明したという経過は、使うときにしか所在を確認しない運用であったことを示します。授業と授業の間に所在を確認する契機はなく、失われても次に使うまで気づけません。
公表が2025年12月であり、発生から約6か月半が経過している点にも注意が必要です。捜索や事実確認、生徒・保護者への説明を経ての公表と考えられますが、その経緯は公表されていません。
組織が学ぶべきこと
Section titled “組織が学ぶべきこと”1. 日々使う文書ほど、保管場所を業務動線の中に用意する
Section titled “1. 日々使う文書ほど、保管場所を業務動線の中に用意する”出欠記録簿は毎日使う道具であり、施錠された場所に戻すことが手間として現れます。手間が大きければ、戻さないという選択が繰り返されます。授業の動線上に施錠可能な保管場所を置くという物理的な設計が、注意喚起よりも効きます。
2. 記録簿に載せる項目を、業務に必要な範囲まで絞る
Section titled “2. 記録簿に載せる項目を、業務に必要な範囲まで絞る”今回の記録簿には氏名、学年、クラス、出席番号、出欠状況が記載されていました。出欠の記録という目的に、氏名と出席番号の両方が必須かどうかは検討の余地があります。出席番号のみで運用できれば、失われた場合の影響の性質は変わります。
3. 出欠管理を紙以外の手段に移すことを検討する
Section titled “3. 出欠管理を紙以外の手段に移すことを検討する”紙の記録簿は、持ち運びが容易で電源も通信も不要という利点があります。一方で、失われたときに中身の保護手段がなく、所在の記録も残りません。校務システムや端末での出欠入力に移せば、紛失という失敗の形自体がなくなります。
ヤグラの視点 — 訓練で防げた分岐点:施錠された場所に戻すという一手順が、152人分と1冊を分けていた
Section titled “ヤグラの視点 — 訓練で防げた分岐点:施錠された場所に戻すという一手順が、152人分と1冊を分けていた”この事案の原因として公表されているのは、「記録簿を施錠可能な場所で保管せず、教材と一緒に机の上に置いたままだった」という一文です。侵入もなく、攻撃もなく、複雑な経緯もありません。使い終わった記録簿を、施錠できる場所に戻さなかった——それだけで、生徒152人分の氏名と出欠状況が行方不明になっています。
個人情報を含む文書を施錠して保管すべきだということを、学校の教職員が知らないはずはありません。知識の不足ではなく、その瞬間に実行されなかったというだけです。授業が終わり、次の授業の準備があり、記録簿は明日も使う。戻さない理由はいつも具体的で、戻す理由はいつも抽象的です。しかも記録簿は教材と一緒に扱われており、教材を机に置くことは何の問題もありません。同じ動作のなかで、片方だけが問題になります。
だから効くのは「施錠して保管する」という規程の再周知ではありません。その具体的な場面を体験させることです。授業が終わって記録簿を机に置こうとする瞬間に、それが失われたら生徒152人と保護者に何が起きるのかを、教室の文脈のなかで示す。攻撃手口を反映したシナリオで訓練を組むのと同じ考え方で、内部の運用も「知っている」から「その場でやる」へ橋を架ける必要があります(→ ヤグラ アウェアネス)。152人分の記録と、引き出しに戻す一手順の距離は、それだけしかありません。
- 記録簿の発見状況と捜索の結果
- 記録簿が失われた経緯
- 記録簿の保管方法および出欠管理の手段を含む再発防止策の公表内容
| 日時 | 内容 |
|---|---|
| 2026-08-12 | 2025年12月23日の公表内容をもとにアーカイブ記事として作成 |