コンテンツにスキップ
← インシデント一覧に戻る

埼玉県、県内高校の修学旅行引率中に生徒名簿を貼り付けたしおりを紛失 — 2学年278人分

項目内容
発生日2025年12月5日7時40分ごろ〜14時半(この間に紛失)
公表日2025年12月25日
対象組織・業界埼玉県(県内高校/教育・研究)。学校名は公表されていない
影響件数2学年の生徒278人分の氏名、クラス、出席番号
攻撃手法攻撃なし。修学旅行の引率中に、生徒名簿を貼り付けたしおりを紛失
情報源Security NEXT(2025年12月25日)

埼玉県は2025年12月25日、県内高校の教員が修学旅行の引率中に、生徒名簿を貼り付けた修学旅行のしおりを紛失したと公表しました。

紛失は2025年12月5日の7時40分ごろから14時半までのあいだに起きています。しおりには2学年の生徒278人の氏名、クラス、出席番号が記載されていました。

同県は対象となる生徒と保護者に経緯の説明と謝罪を行っています。

  • 2025年12月5日7時40分ごろ〜14時半: 修学旅行の引率中にしおりを紛失
  • 対応: 対象となる生徒と保護者へ経緯の説明と謝罪
  • 2025年12月25日: 埼玉県が公表

判明している事実: 修学旅行の引率中に、生徒名簿を貼り付けたしおりを紛失したことです。紛失した場所や状況、しおりの携帯方法、その後の捜索状況は公表されていません。再発防止策も公表されていません。

「生徒名簿を貼り付けた」という記述が、この事案の構造を示しています。しおりは生徒にも配られる旅程表で、それ自体には個人情報が載りません。引率教員が点呼や把握のために名簿を追加で貼り付けた結果、配布物が個人情報を含む文書に変わったと考えられます。

紛失の時間帯が7時40分ごろから14時半という日中に特定されている点からは、移動や集合の合間に持ち歩いていたことが読み取れます。引率中は片手に旅程表、片手に点呼という状況が続き、鞄に収める余裕がない場面が繰り返されます。

しおりという形式であったことも影響していると考えられます。生徒と同じ体裁の冊子であれば、個人情報を含む文書として扱う意識が働きにくく、他の配布物と同じように扱われます。

1. 配布物に名簿を貼り付けた時点で、扱いを変える

Section titled “1. 配布物に名簿を貼り付けた時点で、扱いを変える”

しおり自体は生徒に配る公開資料ですが、名簿を貼った瞬間に個人情報を含む文書になります。「元は配布物だった」という経緯が、扱いの格上げを妨げます。名簿を追加する場合は、しおり本体とは別紙にして携帯方法を分けるだけでも、扱いの区別がつきやすくなります。

2. 引率中に必要な情報を、名簿以外の形で用意できないか検討する

Section titled “2. 引率中に必要な情報を、名簿以外の形で用意できないか検討する”

点呼や人数確認に必要なのは氏名とクラスの対応です。氏名・クラス・出席番号が並んだ一覧を持ち歩く以外の方法——班単位の小分けにする、出席番号のみの一覧にする——があれば、失われたときの影響の性質は変わります。

3. 校外業務では、携帯する書類の形を事前に決める

Section titled “3. 校外業務では、携帯する書類の形を事前に決める”

引率は校内と違い、鞄を置ける場所も施錠できる場所もありません。校外で個人情報を含む書類を持つ場合の携帯方法(ケースに入れる、ストラップで身につける、班ごとに分散させる)を、行事の計画段階で決めておく必要があります。

ヤグラの視点 — 部門別のリアリティ:この278人分は、名簿という形をしていなかった

Section titled “ヤグラの視点 — 部門別のリアリティ:この278人分は、名簿という形をしていなかった”

失われたのは生徒278人分の氏名・クラス・出席番号です。住所も電話番号も含まれていません。項目としては限定的で、名簿の漏えいとしては小さい部類に見えます。

ただしこの事案で注目すべきは、情報が「名簿」の形で管理されていなかったという点です。失われたのは修学旅行のしおり——生徒にも配られる旅程表であり、本来は公開して差し支えない資料です。そこに名簿が貼り付けられたことで、配布物が個人情報を含む文書に変わりました。保管庫に入れるべき文書としてではなく、引率中に手に持つ資料として扱われていたわけです。

この構造は、学校現場に固有のものです。名簿と業務資料が物理的に一体化する場面は、点呼、健康観察、座席表、緊急連絡網と日常的に発生します。全庁一律の「個人情報を含む書類は施錠管理する」という周知は、しおりに名簿を貼るという瞬間には届きません。そこに個人情報が生まれたという認識自体が、その場では起きにくいためです。

だから効くのは規程の再周知ではなく、その現場に固有の場面を具体的に扱うことです。修学旅行の準備で名簿を貼るとき、健康観察表を持ち歩くとき——学校の業務のどこで「配布物が個人情報を含む文書に変わるか」を、教員の言葉で共有する。部門や役割に応じたリアリティのある教育設計が求められるのは、この点においてです(→ ヤグラ アウェアネス)。

  • しおりの発見状況
  • 紛失した場所や状況の特定
  • 校外業務における書類の携帯方法を含む再発防止策の公表内容
日時内容
2026-08-172025年12月25日の公表内容をもとにアーカイブ記事として作成