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映画「さとこはいつも」製作委員会、公式アカウントと関係者を装った詐欺で被害発生 — マイナンバーカードの表裏画像まで詐取

項目内容
発生日2026年8月6日に不審なDMを送るアカウントを確認し注意喚起。金銭被害と個人情報の詐取は8月12日に公表
公表日2026年8月12日(報道は2026年8月26日)
対象組織・業界「さとこはいつも」製作委員会(映画の製作委員会/メディア・エンタメ)。同委員会のシステムが侵害されたものではなく、公式アカウントと関係者を装われた事案
影響件数公表されていない。詐取された情報は本名、住所、電話番号、メールアドレス、マイナンバーカードの表裏画像。金銭被害も発生しており、公表文には架空の入金額として140,000円相当の例が示されている
攻撃手法InstagramとTikTokのDMで「映画のPR案件を依頼したい」と持ちかけ、偽の公式LINEアカウントや偽サイトへ誘導。偽の業務委託契約書で信用させたうえで外部プラットフォームへの個人情報登録を求め、架空の入金を見せた後に「システムエラー」「信用スコア回復」「保証金」など複数の名目で段階的に送金を要求
情報源「さとこはいつも」製作委員会「【重要】映画『さとこはいつも』公式アカウント/本映画関係者を装った悪質な詐欺被害の発生及び手口に関する重要なお知らせ」(2026年8月12日更新)ScanNetSecurity(2026年8月26日)

さとこはいつも」製作委員会は2026年8月12日、映画の公式アカウントおよび本映画関係者を装った詐欺の被害が発生したと公表しました。同委員会のシステムが侵害されたのではなく、名前と肩書きを騙られた事案です。

手口は複数の段階に分かれています。まずInstagramとTikTokのDMで「映画のPR案件を依頼したい」と持ちかけ、映画の公式LINEを装った偽アカウントや偽サイトへ誘導します。次に偽の業務委託契約書を送って信用させ、外部の電子契約・出金プラットフォームを装ったサイトへ個人情報の登録を求めます。そのうえで架空の報酬額を入金したように見せかけ、「システムエラー」「登録口座情報に誤りがある」「信用スコアが低下した」といった名目で、保証金などの送金を段階的に要求するというものです。

詐取された情報は本名、住所、電話番号、メールアドレス、そしてマイナンバーカードの表裏画像です。金銭被害も発生しており、公表文には架空の入金額として140,000円相当の例が示されています。被害件数と被害総額は公表されていません。

同委員会は8月6日に不審なDMを送るアカウントを確認して注意喚起を行い、8月12日に被害の発生と手口を公表しました。警察への情報提供を進めており、金銭の要求に応じないこと、本人確認書類や個人情報を送信しないこと、不審なURLへアクセスや登録をしないこと、そして返金代行の手数料を名目とした二次被害に注意することを呼びかけています。相談先として警察相談専用電話「#9110」と消費者ホットライン「188」を案内しています。

  • 2026年8月6日: 公式アカウントを装って不審なDMを送るアカウントを確認。公式SNSで注意喚起を実施
  • 2026年8月12日: 実際の金銭被害と個人情報の詐取が発生していたことを公表。手口の詳細を開示し、警察への情報提供を進めるとする
  • 2026年8月26日: 報道により広く伝えられる

判明している事実: 製作委員会の公式アカウントおよび関係者を装った第三者が、SNSのDMを起点に偽のLINEアカウントと偽サイトへ誘導し、個人情報と金銭を詐取したことです。被害件数、被害総額、偽アカウントの数と削除状況は公表されていません。公式アカウント自体が乗っ取られたのか、それとも別に作られた偽アカウントだったのかも明示されていません。

手口の組み立て方に、この詐欺が使い回しのものであることが表れています。「PR案件の依頼」「業務委託契約書」「外部の出金プラットフォーム」「架空の入金」「信用スコアの回復」——この順序は、映画の宣伝という文脈に依存していません。騙る対象の名前を差し替えれば、別の作品や別の業種でもそのまま成立します。

マイナンバーカードの表裏画像が詐取されている点は、報酬の支払いという文脈が用意されていたためと考えられます。業務委託の報酬を受け取るには本人確認と口座の登録が必要だという流れは、実際の取引と同じです。偽の契約書を先に送っているのも、この流れを自然に見せるための段取りに見えます。

架空の入金を見せた後に送金を求める構造についても、先に入金があったように見えるので、送金は「取り戻すための手続き」に見えるという点が効いています。この形は、いわゆる副業詐欺や投資詐欺で繰り返し使われてきたものです。

1. 自社の名前が騙られていないかを、自社で見張る

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本件で侵害されたのは製作委員会のシステムではなく、名前と肩書きです。攻撃を受けていないので、自社のログにも監視の画面にも何も出ません。気づく手段は、SNS上での自社名の言及を定期的に確認する、公式アカウントへの問い合わせを拾う、といった外側からの観測しかありません。同委員会が8月6日の段階で不審なDMを送るアカウントを確認しているのは、この観測が働いた結果です。

2. 「公式はこの経路でしか連絡しない」を先に宣言しておく

Section titled “2. 「公式はこの経路でしか連絡しない」を先に宣言しておく”

偽の公式LINEへ誘導するという手口は、公式の連絡経路が決まっていない相手にこそ効きます。案件の依頼はどのアカウントから、どのドメインのメールアドレスで行うのか。DMから別のアプリへ移ることはあるのかないのか。これを平常時に明示しておけば、騙られたときの否認が「あれは偽物です」の一文で済みます。事後に説明するより、事前に線を引いておくほうが早く効きます。

3. 本人確認書類の提出を求める場面を、社内で数えておく

Section titled “3. 本人確認書類の提出を求める場面を、社内で数えておく”

詐取されたのはマイナンバーカードの表裏画像です。報酬の支払いという文脈があると、本人確認書類の提出は疑われにくくなります。自社が取引先や個人に本人確認書類を求める場面が実際にどれだけあり、どの経路で受け取るのかを決めておけば、それ以外の求め方は不自然だと相手に伝えられます。求める側が経路を絞ることが、騙られたときの防御になります。

ヤグラの視点 — 訓練のマルチチャネル化:DMで始まり、LINEへ移り、偽サイトで終わる

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この詐欺は、メールを1通も使っていません。始まりはInstagramとTikTokのDM、次が偽の公式LINE、最後が偽サイトです。メールの訓練を年に何回実施していても、この経路には一度も触れません。標的にされたのは製作委員会の従業員ではなく、案件を受ける側の個人ですが、同じ経路は企業の担当者にも向かいます。広報、マーケティング、採用の担当者は、業務としてSNSのDMを受け取る立場にあります。

チャネルが変わると、判断の手がかりも変わります。メールなら差出人のドメインを見るという手順がありますが、DMにドメインはなく、あるのはアカウント名とアイコンと、それらしいフォロワー数です。LINEに移った後は、そもそも相手を確かめる材料が表示名しかありません。「差出人をよく見る」という訓練で身につく動作は、ここでは空振りします。

やるべきことは、訓練の題材を業務で実際に使っているチャネルに合わせることです。SNSのDMで案件が来る部署にはDMのシナリオを、電話で問い合わせを受ける部署にはビッシングのシナリオを配る。そして訓練の目的を、見分けられるようになることから判断を1人で完結させず決まった窓口に相談することへ置き換える。今回の手口は段階が多く、送金までに何度もやりとりが挟まります。途中で誰かに相談する習慣があれば、止まる余地はいくつもありました(→ ヤグラ アウェアネス)。

  • 被害件数と被害総額
  • 偽アカウントと偽サイトの削除状況
  • 警察への情報提供の結果
  • 返金代行を名目とした二次被害の発生状況

判明次第、本記事に追記します。

日時内容
2026-08-272026年8月12日の公表内容および2026年8月26日の報道をもとに記事を公開