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市立奈良病院、サイバー攻撃で電子カルテ停止——救急停止を経て外来診療は再開、原因は調査中

項目内容
発生日2026年4月21日深夜検知、2026年4月24日公表
対象組織・業界市立奈良病院(奈良県、地方独立行政法人運営の急性期医療機関)
攻撃手法ネットワーク監視装置が異常な通信を検知(詳細な手法は非公表)
情報源Security NEXT(2026年4月24日)

市立奈良病院は、ネットワーク監視装置が異常な通信を検知したことを受け、電子カルテシステムと関連サーバを緊急にネットワークから切り離したと2026年4月24日に公表しました。この対応により、外来診療は4月22日から24日8時30分まで一時制限され、救急受け入れは4月22日3時から24日8時30分まで全面停止しました。

4月24日8時30分以降、外来診療は再開。処方・処置は手書き対応・二重チェック体制で継続され、受診者に「お薬手帳」の持参を呼びかけて対応しました。原因の特定、患者情報の流出有無、システム完全復旧の時期はいずれも調査中です。

  • 2026年4月21日深夜: ネットワーク監視装置が異常な通信を検知
  • 検知後: 電子カルテシステム+関連サーバをネットワークから切り離し
  • 2026年4月22日 3時: 救急受け入れ全面停止
  • 2026年4月22日〜24日 8時30分: 外来診療の一時制限
  • 2026年4月24日 8時30分: 外来診療・救急受け入れ再開
  • 2026年4月24日: 公式に公表

公式発表時点では、異常な通信の内容や攻撃手法(ランサムウェア/不正アクセス/マルウェアの種別)は公表されていません。「電子カルテシステムと関係するサーバをネットワークから切り離して、調査を行っている」段階です。

以下は公表事実から考えられる仮説であり、市立奈良病院が公表したものではありません。

  1. VPN機器・リモート接続の脆弱性経由: 医療機関を狙った近年の事案では、VPN機器の脆弱性を突かれて内部ネットワークに侵入されるパターンが繰り返し観測されています
  2. 委託先経由の侵入: 電子カルテ・部門システムの保守事業者、他病院との連携システム経由での侵入は、医療機関で構造的に生じやすいリスク
  3. ランサムウェアの初期挙動検知: 「異常な通信」という表現から、C2通信・横展開時の内部スキャン・データ持ち出し前段階の通信を検知した可能性

いずれのシナリオでも、「切り離し判断を深夜のうちに実行できた」対応の速さが被害を初期段階で止めた点は評価に値します。

1. 「深夜検知・即遮断」を可能にする体制: 本件で最も学ぶべきは、深夜の異常検知に対して電子カルテ切り離し判断を実行できた点です。医療機関のIT担当は少人数体制が多く、24時間365日の異常検知+切り離し判断の権限委譲+事後の医療現場との調整、が事前に設計されていなければ実現しません。

2. 「電子カルテなしの診療」を運用手順として持つ: 外来診療再開後は手書き対応・二重チェック体制で運用されました。これは事前の運用手順(BCP)が整備されていた表れです。医療機関にとって「電子カルテが使えない日」は前提として設計しておくべきで、患者に「お薬手帳持参」を呼びかける導線もその一部です。

3. 患者情報の流出有無を後で語れる備え: 患者データはひとたび流出すると回収不能な情報種別で、行政報告・患者への通知・訴訟対応まで長期に影響します。切り離し・調査の間に「何が持ち出された可能性があるか」を語るためのログ保全・監査証跡の設計が、公表内容の質を決めます。

ヤグラの視点 — 修復か再構築か、電子カルテを取り戻すための説明力

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医療機関のサイバー被害で長期化しやすいのは、「システムを元に戻していいのか」の判断ができない局面です。攻撃者が入り込んで何をしたか——バックドアを仕込んだのか、データを改ざんしたのか、監視ツールを回避する設定変更をしたのか——が説明できないうちは、電子カルテを完全復旧させるのは、実質的に「攻撃者と同居した状態のカルテ」を再稼働させることと同じ意味を持ちます。ゆえに、多くの被害病院が最終的に「再構築」を選ぶのは、被害の大小より「説明できない被害は長期化する」という構造の帰結です。復旧を早くしたいなら、「攻撃者が何をしたか」を短時間で説明できるログ整備・調査体制を平時から持っておく必要があります。医療機関にとってこれは単なるIT投資ではなく、「診療を止めないための説明力への投資」です。(関連: ヤグラ AI SOC

原因の特定結果、患者情報流出の有無・件数、電子カルテシステム完全復旧の時期、再発防止策の内容に関する続報を注視し、判明次第、本記事に追記します。

日時内容
2026-04-24第一報を公開