企業・官公庁のメール配信を担うユミルリンクに不正アクセス、延べ5,162万件に拡大
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 発生・公表日 | 確認: 2026年10月16日6時49分(同社担当者) / 公表: 2026年10月19日(適時開示・第一報) / 第二報: 10月26日 |
| 対象組織・業界 | ユミルリンク株式会社(東証グロース 4372) / 企業・官公庁向けメール配信サービス「Cuenote」シリーズの開発・提供(システム契約数2,900超) |
| 攻撃手法 | ライブラリの脆弱性を悪用した不正アクセス、不正プログラムの設置、取得したセッション情報での不正ログイン |
| 影響件数 | 第二報: メールアドレスを含む情報 延べ51,628,280件(Cuenote FC 49システム。うち16システムは集計中)、Cuenote BASEの契約者情報190件 / 第一報: 延べ約900万件(5システム) |
| 情報源 | ユミルリンク 適時開示「当社システムへの不正なアクセスに関するご報告(第一報)」(2026年10月19日) / 同「第二報」(2026年10月26日) / TBS NEWS DIG(2026年10月19日) / 共同通信(2026年10月19日) / ITmedia NEWS(2026年10月20日) |
ユミルリンク株式会社は2026年10月19日、サーバーへの不正アクセスを公表しました。対象は、同社が運営するメール配信サービスの一部のサーバーです。
ユミルリンクは、企業や官公庁がメールを一斉に送るためのサービス「Cuenote」シリーズを提供しています。ITmedia NEWSによると、システム契約数は2,900を超えます。同記事は、対象を主力の「Cuenote FC」の専用ASPプランと報じています。
第一報では、合計5つのシステムで不正アクセスとデータの出力を確認したとしていました。出力された情報は、メールアドレスを含む延べ約900万件と試算しています。どの利用企業の配信先が含まれるかは公表されていません。
同社はアクセス記録から、次の4点を確認したと説明しています。
- プログラムの脆弱性が悪用された
- サポート・品質管理担当者の認証情報が取得された
- 不正プログラムが設置され、データベースからデータが出力された
- 取得された認証情報で、他のシステムへの認証が試みられた
悪用された脆弱性の内容と、侵入が始まった時期は公表されていません。
10月26日の第二報で、データの出力を確認したシステムは49に増えました。漏えいのおそれがある情報は、延べ5,162万8,280件です。16システムは件数を集計中で、今後増える可能性があります。第二報では、取得したセッション情報で不正にログインしていたことも明らかにしています。
同じ26日以降、JR3社の「スマートEX」やりそな銀行などが、利用企業として影響を公表しています。各社の状況はユミルリンクの利用企業の公表をまとめた記事に一覧にしました。
同社は不正アクセス専用の問い合わせ窓口を設けています。電話は平日9時から20時まで受け付けます。メールは24時間受け付け、平日に順次回答するとしています。
- 2026年10月16日6時49分: 同社担当者が、自分のアカウントの異常に気付く
- 確認後: 該当サーバーをネットワークから切り離し、脆弱性の修正プログラムを作成・適用
- 同時期: 他のシステムから、サポート・品質管理担当者の情報を削除
- 再発防止策: 不正プログラムの検知体制を整備
- 2026年10月19日: 適時開示で第一報を公表。捜査機関への届け出も済ませた
- 10月22日: 全システムのログインと操作の記録を、さかのぼって調べ始める
- 10月25日21時45分: 新たに42システムで、不正アクセスとデータ出力の記録を確認
- 10月26日: 該当する42社に連絡し、第二報を公表
- 今後: 外部専門家の協力を得て詳細を調査。業績への影響は精査中
本件のように、盗まれた認証情報は、別のシステムへのログインにも試されることがあります。そこで、保守やサポートに使う認証情報はシステムごとに分けて発行し、担当から外れたシステムの登録はすぐに削除しておきます。こうしておけば、認証情報が1つ盗まれても、被害をそのシステムだけにとどめやすくなります。
ヤグラの視点 — 委託先を洗い出し、漏えい時の対応を決めておく
Section titled “ヤグラの視点 — 委託先を洗い出し、漏えい時の対応を決めておく”メール配信サービスには、利用企業の配信先リストが預けられています。その保管場所は委託先のシステムで、利用企業の監視は届きません。10月にはアルカディアへの不正アクセスで、配信元1社の被害が115の自治体・団体の公表につながりました。本件でも、JR3社やりそな銀行などが影響を公表しています。
そこで、個人情報を預けている委託先を洗い出しておきます。委託先ごとに、預けている情報の項目と件数を一覧にします。そのうえで、漏えいの連絡を受けたときの対応を決めておきます。対象者に誰が連絡するか、委託先の調査を待つ間に配信や連携を止めるか、の2点です。
こうしておけば、委託先から連絡が来た日に、自社の対象者と最初の対応をすぐ決められます。委託先の被害が相次いだ経緯は、委託先でつないだまとめ記事で整理しています。
- 集計中の16システムの件数と、重複を除いた人数
- 影響を受ける利用企業と、そのサービスの範囲
- 悪用された脆弱性の内容と、侵入が始まった時期
- 利用企業による個別の公表と、不審メールなどの二次被害の有無
判明次第、本記事に追記します。
| 日時 | 内容 |
|---|---|
| 2026-10-20 | 第一報を公開 |
| 2026-10-27 | 続報を反映(10月26日の第二報: データ出力を確認したシステムが49に増え、延べ5,162万8,280件に。セッション情報を使った不正ログイン、42システムの追加確認)。利用企業の公表をまとめた記事へのリンクを追加 |